「BATON」が出来るまで③
BATONのもう一つの特徴は「瓶内二次発酵」
瓶詰めの際に、微量のビール酵母と糖を加え、約15℃の保温庫で数ヶ月、瓶内で二次発酵を行います。
ナチュラルな炭酸ガスと微量のアルコールが生成され、瓶内でさらに風味が変化します。
また、美味しく飲んでいただく期間もグッと長くなります。
瓶内二次発酵は熟成が続きますので、ここで終わりという期限はなく、ワインのように寝かすことにより熟成が増し、その時その時の味わいを楽しんでもらえるのも特徴です。
6月の中頃にFoederへ入れたビール。
ちょくちょくテイスティングをしながら瓶詰めの頃合いを見計らってました。
約3カ月の熟成を経て、そろそろいいんじゃないかと^ ^
ようやく瓶詰めしたのが9月のこと。
日頃ボトリングを行っているオートマチックな機械とは違い、グラビティ(重力)で詰めるシンプルな詰め機を新調して詰めていきます。
マニュアルな機械、少しづつ慣れてきてコツをつかんだらスピードもアップ。
詰め→打栓→箱詰め、息の合った連携が大事です。
とは言え、マックスで詰めても時間はかかります。
減らない瓶の山を横目にどんどん無口になるスタッフ。
私は昔を思い出しながら「懐かしいな~^^」なんて。新旧スタッフの温度差たるや(笑)
当たり前ですが、設備は能力に応じて高価になります。
製造数量にあわせて設備のスケールアップを行いますが、資金の兼ね合いもありそうそう簡単にはいかないのが実状。
箕面ビールは創業から13年程前までは2本づつ手詰めの毎日でした。
その頃は打栓も手作業だったので、朝から夜中までエンドレスの日々。
みっちり詰めても一日 2000本程度。だんだんと握力がなくなって限界まできたら終了…という、今思い出しても気が遠くなる日々。
お陰で「見事な僧帽筋(肩筋)後姿が逞しい」とあまり嬉しくない誉め言葉をよくいただいてました(笑)
徐々に機械を入れ替えていき、今では優秀な瓶詰め機のおかげで、一日約8000本のビールを詰める事ができます。なんて有難い!
今回は、そんな思い出を振り返りながら10時間ノンストップ!(×2日)
詰め切った後はちょっぴりアスリート気分でした。
あとは瓶内の酵母に頑張ってもらい美味しくなることを祈ります。
これから瓶内でどのように変化するか。
ここでも、人間はじっと待つのみです。
つづく…。